自家ブレンド入門 — 2種類の豆から始める配合の実験
「ブレンドは焙煎士の仕事」と思われがちですが、焙煎済みの豆を混ぜるアフターミックスなら、自宅で今日から始められます。必要なのは2種類の豆と、はかりだけ。この記事では、失敗しない手順を順番に解説します。
手順1: ゴールの味を先に決める
ブレンドで最初にやるべきことは、豆を選ぶことではなく「どんな味にしたいか」を決めることです。「朝にすっきり飲みたい」「ミルクに合うどっしり系にしたい」「香りは好きだけど酸味を少し抑えたい」——この一文が決まれば、豆選びは半分終わっています。逆にゴールなしで混ぜると、それぞれの豆の良さを打ち消し合った「ぼやけた味」になりがちです。
手順2: 豆に役割を割り当てる
ブレンドの構成は料理に似ています。基本は2つの役割の組み合わせです。
| 役割 | 特徴 | 代表的な豆 |
|---|---|---|
| ベース(土台) | コクがあり酸味が穏やか。全体の6〜7割を占める | ブラジル セラード、コロンビア ウイラ |
| キャラクター(個性) | 酸味や果実味で表情をつける。3〜4割 | エチオピア シダモ、ケニア ニエリ |
慣れてきたら、香りの強い豆(ゲイシャやモカ)を1〜2割だけ加える「アクセント」という第3の役割もありますが、まずは2役で十分です。
手順3: 5:5から始めて、2ずつ動かす
最初の配合は5:5で淹れてみてください。そこから「ベースをもう少し感じたい」なら6:4、7:3へ。「個性が足りない」なら4:6へ。10gずつ量れば、2杯分の実験が簡単にできます。重要なのは1回に動かす変数をひとつにすること。比率と豆の両方を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
手順4: 記録をつける
「セラード7:シダモ3、甘さは良いが香りが弱い」——この一行メモが次の実験の出発点になります。プロの焙煎士も同じことをしています。3回も繰り返せば、自分の好みの座標がはっきり見えてくるはずです。
やりがちな失敗
初心者がつまずくポイントは決まっています。①いきなり3種類以上混ぜる(原因の切り分けができなくなる)、②焙煎度が極端に違う豆を合わせる(抽出のバランスが崩れる)、③似た豆同士を混ぜる(変化がなく面白くない)。この3つを避けるだけで、成功率は大きく上がります。