BLENDIA

豆を選ぶと、相性のいいブレンド相手をご提案します

世界最古のブレンド「モカ・ジャバ」の300年史

コーヒーのブレンドには無数のレシピがありますが、「世界最古」と呼ばれる組み合わせはひとつだけ。イエメンのモカとインドネシアのジャワを合わせた「モカ・ジャバ」です。誕生はおよそ300年前——そして驚くべきことに、このレシピは今もなお現役の王道です。

すべては2つの港から始まった

17世紀、世界のコーヒーはほぼすべてイエメンのモカ港から出荷されていました。ワインのような芳醇さとスパイシーな香りを持つアラビアのコーヒーは、ヨーロッパで熱狂的に受け入れられます。一方、コーヒーの独占を崩したいオランダ東インド会社は、苗木を持ち出して植民地のジャワ島(現インドネシア)で栽培を開始。18世紀初頭には、ジャワ産コーヒーがヨーロッパ市場に流れ込みます。

偶然が生んだ「対比の妙」

当時の商人たちが2つの産地の豆を混ぜたのは、味の設計というより在庫と価格の都合だったと言われています。ところがこの組み合わせ、味覚的に見事な補完関係にありました。モカの華やかな果実味と酸味を、ジャワの重厚で土っぽいコクが下から支える。片方だけでは尖りすぎ、もう片方だけでは重すぎる。混ぜると互いの欠点が消え、複雑さだけが残る——ブレンドの理想形が、偶然の産物として完成していたのです。

「ベース×キャラクター」の原型

現代のブレンド理論では、コクのある豆を土台(ベース)に、個性の強い豆で表情をつける(キャラクター)のが基本とされます。モカ・ジャバはまさにこの構図の原型です。300年間、世界中の焙煎士が無数のレシピを試してきた結果、結局この構造に立ち返るのだから、最初の偶然は本質を突いていたことになります。

現代版モカ・ジャバを自宅で

イエメン産モカマタリは現在入手しにくいため、同じモカフレーバーを持つエチオピアのナチュラル精製豆(シダモなど)で代用するのが現代の定番。ジャワ側は、インドネシアを代表するマンデリンが王道です。比率はマンデリン6:シダモ4あたりから。マンデリンの大地のようなコクの上で、ベリーの果実味が跳ねる「対比の妙」をぜひ体験してみてください。

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