自宅焙煎入門 — 手網3千円から始める自家焙煎
「焙煎は職人の世界」と思われがちですが、入り口は意外なほど身近です。手網(てあみ)と生豆さえあれば、3千円ほどで今日から始められます。自分で焼いた豆の味は格別——そして何より、焙煎を一度経験すると焙煎度の違いが「知識」から「体感」に変わります。
生豆はどこで買う?
焙煎前の生豆(きまめ/なままめ)は、コーヒー専門の通販や生豆卸で普通に買えます。価格は焙煎豆の半額前後が目安で、しかも生豆は適切に保存すれば年単位で持つため、まとめ買いにも向きます。最初は失敗しても惜しくない、手頃なブラジルやコロンビアの生豆500g程度から始めるのがおすすめです。
手網焙煎のやり方 — 基本は「振り続けるだけ」
| 手順 | ポイント |
|---|---|
| ①生豆を網に入れる | 一度に100〜150g。欠けた豆や変色豆は事前に取り除く(ハンドピック) |
| ②中火で振り続ける | コンロから15cmほど上で、水平に絶えず振る。止めるとムラ・焦げの原因に |
| ③1ハゼを聞く | 7〜10分頃「パチッパチッ」と爆ぜる音=1ハゼ。ここから中煎りの領域 |
| ④2ハゼで深煎りへ | さらに数分で「ピチピチ」と細かい音=2ハゼ。好みの色になったら即終了 |
焙煎度の判断は「ハゼの音」と「豆の色」のふたつ。1ハゼ終わりで止めれば中煎り、2ハゼに入ってすぐ止めれば中深煎り——と、焙煎度8段階の記事と照らし合わせながら焼くと理解が早いです。
仕上げの2工程が味を決める
①急冷:焼き上がったら網ごとザルに移し、うちわやドライヤーの冷風で一気に冷まします。余熱で焙煎が進むのを止めるためで、ここでもたつくと狙った焙煎度を通り越します。②休ませる(エイジング):焙煎直後の豆は炭酸ガスが多く、味が落ち着きません。2〜3日置いてからが飲み頃。保存の記事で紹介した密閉容器で、ガスを逃がしながら休ませましょう。
煙とチャフには注意
焙煎中は煙が出ます(特に深煎り)。換気扇の真下が定位置です。また生豆の薄皮(チャフ)が舞うので、新聞紙を敷いておくと片付けが楽。ムラ焼けや焦げは最初の数回は誰でも通る道——それも含めて、豆がどう変化していくかを見るのが自家焙煎の醍醐味です。
ハマったら焙煎機へ
手網で物足りなくなったら、温度と時間を管理できる電動焙煎機(家庭用は2〜10万円台)が次のステップです。再現性が一気に上がり、同じ豆で焙煎度だけ変えてブレンドを組む、といった実験も可能になります。まずは手網で「焼く楽しさ」を確かめてからでも遅くありません。